「旨いっ!」のひと言を頂くために

シェフ荒井俊恵は伊東の鮨屋の娘

静岡県伊東市出身の荒井俊恵(妻)は実家が鮨屋で、子供の頃から見よう見まねで父に手習いを受けると共に日本食の「味」を学んできた。小学校時代には地元の友達を招いて「お寿司屋さんごっこ」と称してお寿司を振る舞うこともたびたび。そのあと父親は、お客様用に準備していたネタが無くなり大慌てするのだが。俊恵の味の基礎はこの時にできた。
地元の伊東商業高校を卒業して帝国ホテルに就職。サービス業の本質を学んだ。後に大学、大学院で学問の基礎知識も身に着けた。

ベジタブルダイニング晴れ晴れ家(文京区根津)

その後は会社員としてここ10年は営業経験、シニアマネージャとなっていたが、50歳に到達して今後の夢を考えたとき独立を決心する。荒井久(夫)が出版業の傍らで始めた、ベジタブルダイニング「晴れ晴れ家」を2年ほど手伝ったことで調理人としての自信も深めていた。パリ、ミラノ、ローマ、ジュネーブなどでのイタリア料理研修旅行でも自分の味を磨く基礎ができた。

魚介のチーズパスタ(ジュネーブ)

トマトソースパスタ(ジュネーブ)

「おざんざ」は旨いもの探しの旅で

文京区湯島に信州うどん「おざんざ」の店「湯島春近」を開店したのは縁あってのことだが、かつて夫婦で信州の旨いもの探しに旅したとき、元長野県農政部長氏に推薦されたのが「おざんざ」だった。俊恵はその言葉の響きに快さを感じ、長野県佐久市出身の久は子供の頃の家庭料理を思い出していた。

久の思い出は60年も以前のことだが、6人兄弟の5番目の久は長兄「春近」が作るおざんざが楽しみだった。「今日はおざんざでも作ってあげようか」との春近の言葉に兄弟たちは目を輝かせた。おざんざ(ほうとう)は水分を限りなく少なくして作るから力持ちしかできなかった。

佐久市は浅間山のふもとに広がる

季節の野菜、根菜をたっぷり入れた味噌煮込みうどん。煮込みに負けない腰のあるほうとうだ。グルメで力持ちだった長兄・春近が亡くなってからすでに9年が経つ。

「おざんざ」を「春近」を東京で流行らせたい

そんな背景もあり2015年12月、久と俊恵は文京区湯島で「おざんざ」の店を開くことを決意する。俊恵は脱サラしての開店ということになる。


ロゴは書家の友人澤井仁氏のプレゼント

「湯島春近」は出汁と素材と安さにこだわる

「おざんざ」と言えども、日本食のうどんの一種であることに変わりはない。俊恵は「健康的食材で美味しくて安価」をコンセプトにした。「出汁(だし)が命」を貫く。

できる限り天然 羅臼昆布、伊吹産いりこ大羽を前日から水出しし、鰹節・宗田節・鯖節の厚削りを加えて引く。


「出汁(だし)が命」
その白出汁に、「天草の通詞島 釜炊き塩」、「ヤマシン醸造の白醤油 極み」、「福来純3年熟成本みりん」を使い、さらに「つけつゆ」には極上の「関ヶ原たまり醤油」を使用。いずれも逸品である。湯島春近の厨房には化学調味料はない。また明太子には無着色はもとより無添加のものを取り寄せ、バターはカルピスバターを採用した。

いずれも逸品

「うどん屋」の発想を超えた幅広いメニュー

肝心なおざんざメニューも多岐にわたる。ほうとうに使われる太麺を2mm幅に切り出した細麺、3mmに切り出した中太麺を使い、冷ざるから冷かけ、めかぶ納豆ぶっかけ、温玉梅おろしぶっかけ、牛肉温玉ぶっかけ、温かいかけおざんざでは油揚げのきざみ、鶏もも、豚しゃぶがあり、釜玉明太バター、豚野菜カレー、豚野菜チーズカレーにも広げた。


牛肉温玉ぶっかけ


釜玉明太バター


豚野菜チーズカレー

さらに俊恵が得意なイタリアン系の技も活かしてツナニラペペロンチーノ、トマトモッツァレラ、さらにはピリ辛坦々もある。


ツナニラペペロンチーノ


トマトモッツァレラ

季節ものでは桜の花を練りこんだ「さくら」、ヨモギをねりこんだ「よもぎ」があり、夏になった今は熊笹を練りこんだ熊笹麺が好評だ。


季節の冷ざる熊笹

季節の冷ざる熊笹湯島春近は「水」にもこだわっている。最近、有名ラーメン店で導入が相次いでいる「πウオーター」を導入。口に入る物の水にはこれを採用した。何よりこだわりの出汁を引くのに効率が良いのが嬉しい。


πウオーター

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